日本縦断ボルダリング旅総括、今回は九州本土(鹿児島・熊本・宮崎編)
自堕落な自分にムチを打って、なんとか2回目の更新。
6月でポケットwifiの契約期間が切れたのを機に、ネット環境がスマホしかない生活を送っているから、この記事の下書きはデスクトップのメモ帳に書いてマクドナルドのwifiでアップロードしているのだけど、意外とそれくらいのネット環境でも良いのかも。
旅の途中は道の駅のwifiを使うことが多く、それで十分だった。
これから死ぬまで通信費というのが、己の人生に纏わりついてくるのだろうか?
人生における固定費をなるべく減らしたい。
可能なら霞を食べて生きていたい。
それでは、ロクスノNo81号で紹介された「1級&初段100課題」をトライしてみた感想、九州本(鹿児島・熊本・宮崎編)編。
検索結果
ウェブ検索結果ROCK & SNOW 081号 「1級・初段」100課題
【鹿児島】(課題名横の〇×は登れたか否か)
「金峰山ボルダー ひっつき虫 初段」〇
いきなりこれ初段?ってレベルの難しさ(笑)
グレーディングが辛く、"修羅の国"と揶揄される九州ボルダリングシーンだけど、シーズンが短いからそう感じさせるだけで、ベストシーズンに登れば他とそこまで変わらない。
と、いうのが自分の持つ九州エリアのイメージだけど、これは難しいと思った。
丸っこくて被ったバルジ上の岩を、手と足で挟み込んで登っていく。
初登者の小山田大氏の紹介文では、「コンプレッション系の入門課題」とされているけど、これが入門課題ならボルダリングを辞めようと思った。
「金峰山ボルダー バンペイユ 初段」〇
助代エリアという所にある、360度全面登れる奇跡的なボルダーの中の課題。
今風のジム課題のような強傾斜を、良いホールドを繋いで登って、核心はスローパーへのランジ!
こんな所までジムっぽい。
これも初段としては辛く感じたけど、核心のランジで、リーチ差が出るからそう感じたのかも知れない。
左上の倒木の影響で、オリジナルの直上とは違ってちょっと左へトラバースしてトップアウトすることになっている。
【熊本】(課題名横の〇×は登れたか否か)
「耳取峠ボルダー あまざらし 1級」〇
ロクスノでの紹介では課題名が「あめふらし」になっていて、掲載されている写真も違う課題の物というミスがあり、てっきりトポ公開後に新たに登られた課題だと思っていた。
初手からしてキビしく、なんとか登ってから「実はトポのスタートホールドは間違っていました」という事を知った。
そういう事もあって、正規スタートとはまったく違うムーブで登ったと思われる。
おかげで、ダイナミックでボルダリングらしいムーブになった。
もし初登としても、"半手下"という、まったくカッコよくないロースタートだからなぁ。
次回、訪れる事があれば正規スタートで登ってみたい。
「日之影ボルダー スーパフラット 初段」〇
なぜ日之影が熊本エリア?という疑問はあるけど、ロクスノでそうなってるから・・・。
コツもの離陸からの、初手が止まるかどうか。
初手後も気が抜けないけど、初段を登れるクライマーならまず落ちないのでは。
エリアが大きい日之影なら他にも紹介できる課題が沢山ありそうだけど、この課題は下地の変化があまり無さそうだからだろうか。
日之影は河原のエリアの宿命か、下地の変化で課題が現われたり消滅したりが激しい印象。
熊本エリアで紹介されていた課題はこのふたつ。
どちらの課題も面白いけど、両エリアでもし自分が1級~初段でお勧めするなら、耳取峠は「ブルーワーム 2級」、日之影なら「陣羽」か「シークレットボーイ」かな。
「ブルーワーム 2級」は難しくて全然2級じゃないから、1級~初段クライマーが楽しめる良課題だと思う。
2級という不人気グレードだからか、TDK(とりあえず 段 課題)のクライマーに触られないのはモッタイナイ。
日之影の「陣羽」はそんなに高くない岩だけどボルダームーブが連続して面白いし、「シークレットボーイ」は日之影で男女問わず人気の課題。
両方とも下地が良いのも嬉しい。
【宮崎】
「比叡山ボルダー 星やどり☆ 初段」〇
屏風のように大きなボルダーの、ど真ん中を登るラインがカッコいい。
自分はカチ経由のスタティックムーブで登ったけど、ランジで決めるのが一般的。
ランジでリップが止まったら、さぞかし気持ち良いだろうなと思う。
「比叡山ボルダー ツノ 初段」〇
これは初段なのだろうか・・・。
グレードはさて置き、いかにもボルダーという形の個性的な見た目の岩を、いかにもボルダリングというムーブで登る傑作。
上部は簡単そうに見えるけど、実際に上に立つと高度感に痺れる。
自然の岩は、時にどんな素晴らしいセッターをも凌駕する課題を生み出す。
そんな臭いセリフも言えちゃうような課題。
各ホールドの距離感、多彩なフック。
この傾斜で、諦めなければ誰にでも完登への道が開かれるような課題として存在するのが奇跡とも思える。
「比叡山ボルダー 祈り 1級」〇
岩の基部から頂点まで、ピシッと走った細いクラックが美しい。
このボルダーを見て、ピクリとも反応しないクライマーはいないのでは。
実際の登りはフェイスチックでジャミング技術は必要ないけど、核心が上部~マントルというのも渋い。
「比叡山ボルダー 大谷クラック 1級」〇
前傾クラックのハイボール。
上で紹介した「祈り」と違って、こちらはバチバチのジャミング課題。
この課題のためにジャミンググローブを購入して臨んだが、手の甲が薄いためかフィストジャムが決まり難く、とても苦労した。
クラック以外にもホールドがないこともないので、ジャミングと半々くらいでなんとか完登。
染み出しでコンディションが悪いことが多いから、もし偶然乾いていたら、その気がなくても一度トライしてみてほしい。
「比叡山ボルダー 酒越しの舞 1級」〇
これも綺麗なクラック。
こちらはジャミングというより、レイバックに近いバランス系。
左にあるボルダーが心理的なプレッシャーになって、課題のスパイスになっている。
以上が、ロクスノで鹿児島・熊本・宮崎の名課題と紹介されていた課題。
鹿児島、熊本が各2課題で、宮崎が5課題。
鹿児島の金峰山ボルダーも熊本の耳取峠ボルダーも日之影も、けっして課題数の少ないエリアではないから、2課題だけに絞るのは無茶な話。
宮崎の5課題もすべて比叡ボルダーからの選出で、比叡以外のボルダリングエリアの名課題を含めたら、宮崎だけでけっこうな数になってしまいそう。
エリア関係なく、「2級とされているけど1級~でも良いんでない?」という課題の中に面白い課題があるから、そういう課題も見落とさず登るのが理想ではあるのだけど。
ホームの岩場なら隅々まで登るから見逃すことはないけど、旅の途中の岩場ではなかなかそうもいかないから、「この課題は面白い」という情報がもっと発信されないかな。
次回は大分、福岡と長崎をご紹介。
まだ九州エリアが続くのね・・・。