東奔西登

車中泊で日本縦断の旅をしながら、ロクスノ081号の「全国ボルダー『1級&初段』100 課題」にトライした人の記録

日本縦断ボルダリング旅総括 宮川・豊田

今回は三重県の宮川と、愛知県の豊田編。

 

これまで"○○地方"という括りだったのに、なぜか突然"○○ボルダー"というピンポイントの紹介。

 

だってロクスノでそうなってるから…(そればっか)

まぁ、この両エリアはそれだけ課題が豊富という事だと思う。


西から紹介という事で宮川ボルダーから。
今回の旅で初めて訪れたのだけど、川沿いの涼しげなエリアで西の御岳という感じ。岩質も似てる。


【宮川】(課題名横の〇×は登れたか否か)

 

「パワーブレイン 1級」〇

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逆光で残念な画像

どでかいチョックストーンでインパクト抜群。


チョックストーンの課題にありがちな、左右の岩に足が当たりそうでが気になるという事もない。

 

上部のホールドが見た目より悪く、高さもあるので緊張する。

 

パワーブレインは身長によるけど背伸びいっぱいのスタートになるから、より下から始める「ハイパワーブレイン」の方が課題として美しいと思う。


いつか再訪した時には、「ハイパワーブレイン」もトライしてみたい。


「あめご 初段」〇

 

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「あめご」は最後まで気持ちの良い強傾斜課題

シーズンになるとSNSで「#あめご」というハッシュタグを見ない日はないというくらい人気の課題という印象。

 

今回、トライしてみてその人気も納得の課題だと感じた。

 

強傾斜に散らばるホールドは、各種フックを掛けておけば持てるという絶妙な効き。
ホールド間の距離も遠すぎず、リーチ差が出にくい。

 

実際に女性クライマーにも人気だった。

リップ取りがダイナミックなムーブなのも素晴らしい。

 

マットが豊富なのと、好きな動きのある課題だったから、セカンドトライ(ファーストトライでは逆光でリップ見逃し落ち)
で登れて、御岳育ちクライマーの面目を保ったか?


「黄色い鈴 初段」〇

 

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ダイアゴナル?で初手をとったところ

初手核心ということだけど、ダイアゴナル?というのか、アウトサイドで踏んで離陸するムーブでスタティックに初手を出せて、そのままフラッシュ。


いちおうフラッシュという事になるのだけど、こちらもマットが豊富で後半の微妙なホールドでのムーブが恐怖感なく起こしやすかったからかも。

 

課題は手順が幾通りもあり、使うホールドも人によって違い、ムーブを作る楽しさがある課題。
腕に自信のある人は登りながら修正して、少ないトライで登れると充実しそう。


宮川ボルダーは課題も多くてシーズンも長いみたいだから、近くに住んでいたら通いたくなる。


三重県の南には楯ヶ崎やナサ崎、熊野ボルダーもあるし、シークレットの岩場も多いみたいなので、恵まれた場所だと思う。

 

こういう場所に2~3年住んで、色々な課題を触ったら幸せだろうな。


【豊田】

 

はじめに注意しておきたいのは、これから紹介する各課題のアルファベットで表記される、いわゆる豊田グレードは知らないため、ロクスノで表記されていた段級グレードをそのまま表記する。

 

また、豊田ボルダーで登るのは今回の旅が初めてではなく、以前、数回訪れたことがあるのでその時に登った課題もある。

 

「サウンズグッド 初段」〇

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安全で、派手で、気持ちいい

2015年公開という比較的新しい課題。


豊田の岩場にはあまり詳しくないけど、小さな岩でバシバシ系の大きなムーブが楽しめる課題は豊田では珍しいと思う。


下地も良く、一人で来ても楽しめる。

 

ホールドは全てポジティブ。
ただ、かなりの強傾斜の中で数手を進めたのちに距離の必要なデッドがあり、持久力も試される。

 

ボルダーは平らに開けた舞台のようなところにあり、居心地も良い。


「ダイヤモンドスラブ 1級」×

 

以前、豊田に訪れた時にけっこう執着してトライした課題。

課題内容は言わずもがなの有名さなので省略する。

 

上部での恐ろしい手に足から上手く立ち上がる事ができず、そこが最高到達地点だった。

 

この課題は何人か人が集まるとゾロゾロと人が参入してくる課題なので、人が集まらないとずっと岩の前に誰も居ないような課題。


人が居ないときは独りでもトライしていたけど、着地で膝が壊れるかと思った。

これもいつか登りたい課題。

 

「俊トラ 初段」〇

 

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「俊トラ」は岩の弱点を突く課題でクライミングの本質を感じる

ハッキリとしたダイクに導かれて左上し、その後も岩の弱点を突いてトップアウトする素晴らしい課題。


初登が80年代後半ということで、その後も小さなホールドの変化はあったのだろうけど、ほぼオリジナル状態を保ってそうな印象を受けた。

 

希少な遺産的課題としていつまでも残り続けて欲しいと思える課題。

 

核心は人によって違いそうだけど、一番の核心はボルダーの場所を探すことかも。

 

因みに、グーグルマップで「俊トラ」と検索すると、誰か親切な人が登録してくれているので、現在地を確認しながらアプローチすると楽(このブログで唯一有益な情報)

 

「一難去って 1級」〇

 

小さなホールドで体を上げて小さなスタンスに立ってようやくガバスタンスだけど、それに乗り込むまでまた小さなホールドで引き付けないといけない課題。

 

指が結晶ホールドに適応できるかどうかっていう豊田っぽい課題。

 

この課題は旅に出る前に一度登っているのだけど、動画を撮るために再登しようと思ったら出来なかった。

九州のダイナミックバシバシ系課題に慣れ過ぎて、ますます緩傾斜が苦手になっているのか?

 

因みに隣の文明開化も昔登れているのだけど、今や岩を見ただけでちっともやりたいとも思わない。

 

「蛇の目 1級/初段」〇

 

これも昔登った課題で今回の旅ではトライしていない。

ホールドが欠けて少し簡単になった?という噂があるけど、登ったのは欠ける前。

 

相性が良い課題だったからかフラッシュできた。

トラバース課題で、マットが複数あって安心してトライできたのも大きい。

 

ホールドはほとんどポジティブで、少し遠いカチホールドへのランジが核心か?
そこがバチッと決まれば後は、マントルの高さはそれなりにあるけど、それほど苦労する所は無かったように思う。

 

 

と、ここまでがロクスノNo.81号で紹介された、宮川・豊田の課題。

 

愛知というか、中部地方は岐阜に笠置山、三重に宮川、がんばって南に足を延ばせば楯ヶ崎や熊野など、岩が豊富なエリアだと感じた。

東に行けば鳳来もある。

 

ごく個人的な事を言うと、豊田の岩場は限定とか初登ムーブとか言われがちな岩場なのであまり好きではないのだけど、今も開拓され続けているのは素直に凄いと思う。