今回は四国編。
近年、全国のボルダラーから熱い視線を送られている四国。
行ってみてその理由が分かったような気がする。
まず、中国、近畿地方から陸路(安くない高速料金が必要だけど)でアクセスできるのと、東京からも飛行機で比較的アクセスしやすい事。
後は、四国のクライマーの地元愛からか、よく情報が発信される事。
この二つだと思う。
他にあるとしたら、グレーディングが適正と感じる課題が多いのも要因のひとつかも。
わざわざ時間とお金を使って登りに行くのだから、皆、気持ち良くなりたいでしょ。
辛いグレーディングは、百害あって一利なし。
○○(岩場の名前)グレードというのは是正されるべきだと思うんだけど。
【愛媛】(課題名横の〇×は登れたか否か)
登った順ではなく、四国の西から東に向けて課題を紹介していく。
まずは、美川ボルダーのガンダーラ。
”美川”という名前に聞き覚えがなかったけど、どうやら高知県の仁淀川が愛媛県に入って上流で面河川(おもごがわ)という呼び名に変わるらしく、この辺りのボルダーも、おおまかに仁淀川ボルダーと括られているみたい。
なぜ面河川が美川になるかは知りません。
その辺りの経緯はトポに書いてあるのかも。
課題のある岩は、ハイボールと言っても差し支えない大きさで、迫力あるハングをかかりの良いホールドでぐんぐん登る。
充分に高度が上がってからの、リップ取り~マントルが精神的な核心で、登り切った時の達成感は格別。
マントル下見から、一度仕切りなおすために飛び下りた時に足首を痛めてしまったから、再トライが一週間後になってしまい、四国で一日で登れなかった課題はこの課題だけ。
ちゃんとマットの上に飛び降りても、マットが斜めだと足を痛めるという事を学んだ。
スポッターが居ればマットを重ねて貰うとか出来ただろうけど、そうもいかないのが独りの辛いところ。
幸い痛めた足の腱に異常はなく、いまはキョンもヒールフックも問題なくできる。
「鞍瀬川ボルダー テングス 1級/初段」〇
比較的新しいエリアの課題で、7~8mくらいのハイボール。
私が訪れた時はほとんど登られた形跡がなく、懸垂下降でホールドの掃除からしないとならなかった。
岩質も脆く、トライする前に各部の点検をお勧めする。
実際、掃除中にスタンスにしたホールドがポロポロと欠けたりした。
トライ時のマットはメインマットが二枚だけだったから、「欠けないでね」っとけっこう祈るような気持ちで登った。
もっともハードなムーブは3級くらいだろうか。
でも、そのムーブを地上4~5mくらいの所で起こさないとならないから怖かった。
【高知】
「仁淀川ボルダー 56の冒険」〇
気持ちの良い強傾斜バシバシ系。
幸運にも3、4人のセッションに混ぜさせて貰ったのと、豊富なマット&手厚いスポットで少ないトライで登れた。
マントルもそれなりの外岩経験があれば問題なく返せるはず。
恐怖との戦いが多いボルダリング独り旅だけど、登っていて気持ち良いと思った課題にはだいたい充分なマットとスポッターが一緒だった。
独りで登った充足感も、多くの人と登った連帯感も、どちらも好き。
「大山岬ボルダー 緑 1級」〇
この課題も、セッションしてくれた方が居たから嵌らずに済んだ。
下地が岩盤で、さらにデッドムーブが連続するから、一人だとマットの敷く位置を調整しながら一手一手進めないとならなくて、解決までに時間が掛かってしまう。
また、高知の海沿いのボルダーは1月でも日が当たると暑くてヌメるから、すっぽ抜けそうなホールドは怖い。
課題の内容は素晴らしく、高知まで行くのだったらトライして損のない課題だと思う。
百と八つ~のほうがSNS的に映えるのはわかるけど…。
「日ノ御子ボルダー 鬼火消し 初段」〇
これも素晴らしい課題。
チャートのような石灰岩のような、詳しくわからないけど得意な岩質で気持ち良く登れた。
被った岩の最奥からスタートして、岩の弱点を繋いでトップアウト。
途中、がんばって距離を出さないとならない所もあるし、細かなホールドで耐えてムーブを起こさないとならないところもある。
ついでにマントルもガバガバじゃない。
ホールド間隔が遠すぎる事もなく、女子にも現実的な目標にできる課題というのも良い。
自分、フェミニストなもんで(点数稼ぎ)
と、ここまでがロクスノNo81の1級&初段特集で紹介された四国の課題。
岩の豊富な四国で五つというのは少ないように感じるけど、紹介者の守備範囲もあるのかも知れない。
ここで終わりにしても良いのだけど、文字数がちょっと少ないから四国で登った課題の一部を紹介する。
「美川(仁淀川)ボルダー ウスンマ 初段」〇
大きな岩の上に乗った岩がインパクト抜群。
実際に登ると岩が脆く、けっこうな確率でギシギシ言うので怖い。
この課題は、登っている姿を高い所から望遠、もしくはドローンで撮ってもらう課題だと思う。
絵になる。
「日ノ御子ボルダー 神楽 初段」〇
珍しい石灰岩のボルダー。
石灰岩はユニークなホールドが多くて楽しい。
同じホールドでも、保持の仕方が人それぞれ違いそう。
高さもそんなにないから、大きい岩は怖いって人にもお勧め。
「西之川ボルダー 徐断煩」〇
スノーアタックV7のロースタートが「徐断煩」
スタンドのスノーアタックV7でも、ダイナミックなムーブから始まって面白いと思う。
西之川ボルダーは、水の透明度と河原に散らばる青石が印象的。
詳しいトポがあったら、色々と登ってみたいエリア。
四国では、今回訪れるきっかけのなかった徳島の立川ボルダーや鳴滝ボルダー、香川の遠見山など、まだまだ気になる岩場が多い。
次回訪れる時は、気楽な縛りのないクライミング旅として、一~二か月くらい四国で過ごしてみたい。
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