今回は関西・南紀編。
関西地方で括ると、和歌山県も関西に入るのだけど、ここはロクスノで紹介されている通りに表記する。
関西で紹介されているのは、兵庫県の北山公園と京都の笠置、奈良の御手洗渓谷。
南紀では和歌山県の日ノ御埼と三重県の楯ヶ崎とナサ崎。
結果から言うと北山公園は散々な結果で、京都の笠置は引き分け?御手洗は好きな岩質で気持ち良く登れた。
楯ヶ崎は二本中一本で、ナサ崎はトポを持っていないのと、さらに台風の影響で課題のある岩が変化してしまったらしく訪れていない。
外岩でボルダリングを始めたのが御岳ボルダーだったから、チャート質の岩が当たり前になっていて、2年目でようやく小川山で初めて花崗岩を触ったような気がする。
そもそも、岩を登るために東京から長野まで行くなんて事がまったく想像ができなかったし、御岳の「忍者返し」と「デッドエンド」が登れたら、ボルダリングという遊びを辞めようとすら思っていた。
それがいまや車中泊で日本を縦断しながら、全国の岩場を回ることになるなんて・・・。
いやはや、人生なにがどうなるかわかりません。
【兵庫】(課題名横の〇×は登れたか否か)
「北山公園 アドレナリンカンテ」×
スラブ傾斜で、スローピーなカンテを押さえながら登るバランス系。
登り方はいくつかあるようだけど、結局、最後まで自分に向いたムーブが見つけられなかった。
硬い靴と柔らかい靴の両方で試して、感触が良かったのが硬い靴の方。
これまでは足裏感覚がある靴が好きで使っていたけど、「靴を信じて立つ」という事も習得するべき技術の一つだと思った。
「北山公園 ガンフォー 初段」×
この課題は再登情報が少なくて登る前から警戒していたけど、予想的中という難しさだった。
序盤の左ガストンからの手に足ムーブという、肩力と柔軟性が問われるムーブが核心か?
というか、それより先に進めなかったから、その先にも難しい所があるかもしれない。
下地が狭く、岩と岩の間に落ちる感じになる。
初登時からチッピング&欠けたという情報を見たから、いまは初段というグレードではないのでは。
少なくとも、これを登って「初段だね」と言える人とは仲良くなれそうにない。
【京都】
「笠置ボルダー お目覚めマントル 1級」〇
スタートから一、二手送って、マントル一発という課題。
岩も大きくなく、下地も砂地なので安心してバタ臭いマントルを返せる。
岩の上に回り込んで、マントルで使えそうなホールドを確認しておいたから、フラッシュできた。
地上3~4mで同じムーブをやれと言われたらけっこう躊躇するだろうから、マントルの練習に良い。
それこそ地上3~4mで同じくらいのマントルをさせられるのが、瑞牆山ボルダーの「猫頭ントル」だけど、あれ、怪我人出てないのかしら。
「笠置ボルダー 親指君 初段」×
超有名課題。
ボルダリングというのを初めて、まだ御岳も出た事ない時に雑誌か何かで目にした記憶がある課題。
あの時は「わざわざ岩を登りに関西まで行くことは一生ないだろうな」と思ってたけど、蓋を開けてみたらなぜか岩の前にいた。
けっきょく、第二親指(トライした事がある人にはこれで通じるのが面白い)が最高到達地点。
一緒になった他の岩場で三段登っているクライマーも、惜しいトライまではあったけど登れていなかった。
親指君を有名たらしめているのは、独特なムーブもそうだけど、グレードの辛さもあると思う。
「あの課題を登れたらけっこう凄い奴」みたいな。
少なくとも、これを登って「初段だね」と言える人とは仲良くなれそうにない。
【奈良】
「御手洗ボルダー ターターシン 初段」〇
前半は岩の被った部分を、掛かりのよいホールドを大きなムーブで繋ぎ、中~後半は細かいホールドで耐えて足を上げていく複合的な課題。
ほぼ全てのパートをバラしで練習できるのと、御岳に似たチャートの慣れた岩質。
さらに、一緒になった方のアドバイスもあって少ないトライで登れた。
関西ボルダリンググレードの基本となる課題という情報を何かで見たけど、同じ関西でも花崗岩の岩場とのグレードの乖離を感じた。
「御手洗ボルダー ゴジョジュ 1級」〇
ランジ一手ものだが距離が必要なランジではなく、ブラインドになるホールドを捉えられるかどうか、という課題。
肝心のランジも身長が170㎝前半もあればデッドで届きそう。
実はランジ以降が、意外と気を抜けない感じで面白い。
シーズンのよって下地の変化があるのかも知れないけど、マットを重ねないとスタートホールドに届かないのがちょっと…。
【和歌山】
「日ノ御埼 Younger than Yesterday 1級」〇
これも思い出深い課題のひとつ。
こちらもトポを持っていなかったので、色々なブログの情報を頼りに岩を見つけた。
思ったよりアプローチが長く、海岸に転がる大きな岩を越えて行かないとならないので大変だった。
5mのルーフクラックから3mのフェイスの、持久力が試される課題。
上の画像でトーフックを掛けている所にブロック状の岩のチョックストーンがあったようで、それがゴッソリ取れてしまったよう。
元の状態を知っている人のブログによれば(ブログ情報ばっかですいません、友達が少ないもので…)前より難しくなっているよう。
たしかに、1級では辛いと感じた。
日ノ御埼は海岸に大きなボルダーがゴロゴロ転がっているから、トポがあったら他にも色々と遊んでみたかった。
トポを見ずに自由に岩を登るような気力は、もうこの時にはなかったなぁ。
「楯ヶ崎 ハテナ 初段」✖
その独特な岩の形状から、課題名の由来が一目でわかるのが面白い。
下地が岩盤&斜めで、核心がリップへのランジ。
何度かトライして、その恐怖から早々に敗退を決めた。
身長165㎝だと、蹴り足がパツパツで力が伝達が難しい。
後で知ったのだけど、課題を右寄りに抜けるランジと、左寄りに抜けるカチ経由の二通りがあるみたいで、左寄りなら可能性があったか?
でも、カッコイイのはランジなんだよな…
いつか、どちらも出来るようになりたい。
「楯ヶ崎 レリーフ左のクラック 1級」〇
これも思い出深い課題。
あまり完登情報を聞かず動画もないので、未知の課題に挑む楽しさがあった。
もともとボルダリングメインで登ってきたからジャミング技術に自信がある訳ではないけど、ジャミングはクライミングの原初を感じる技術だと思う。
だからってジャミングが好きで得意な訳ではないけど、そんな自分でも「これは絶対抜けない」というくらいジャミングが決まると嬉しい。
因みに、アプローチは30分くらいあるから、一人でマットを複数背負っていこうという人は心して掛かるべし。
「ナサ崎 スカイフォール 1級」✖
もともとハンドサイズだったクラックが岩がずれてクラックが広がり、リービテーション(この課題を検索していて初めてしった言葉)サイズのクラックになったらしい。
もともとクラックにはそんなに興味がないクライマーなのと、トポを持ってないからアプローチがわからないのもあって、岩場にすら行かなかった。
今考えるとちょっと勿体ない。
場所は三重県でも、熊野寄りでけっこう遠いもんなぁ。
この課題に興味がある人と一緒に行くのは楽しそうなんだけど。
日ノ御埼や楯ヶ崎は暖かくて、真冬の岩場という印象だった。
冬の車中泊でもそれほど寒くて辛いことはなく、九州&四国以外の越冬地の岩場としてもお勧めできる。