東奔西登

車中泊で日本縦断の旅をしながら、ロクスノ081号の「全国ボルダー『1級&初段』100 課題」にトライした人の記録

2019/12/23 日ノ御埼ボルダー Younger Than Yesterday

2019/12/23

 

道の駅 かなんで起床。

昨晩遅くまで雨が降っていたので、登れるとしても午後からだろうと起きてからもゆっくり過ごす。

 

御手洗ボルダーのある天川村の天気が気になって、天川村ライブカメラを見たら雪が積もっていて、雪かきに追われる人の姿が映っていた。

 

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これは2、3日はダメだなと見切りをつけ、指皮の状態も悪いしと完全レストを決め込むつもりだったけど、特に近くに時間をつぶせそうな観光地もない。

 

近くに以前、ネットで見て興味を持ったPL教団の塔が立っているのを昨晩見たので、近くまで行ってみようかと思った。

 

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ファンタジック

出典blog-imgs-34.fc2.com

 

ほぼPLの塔見学に気が傾いていた時にふと「今日は1日気温が高いみたいだし、海岸沿いのボルダーなら登れるんじゃ?」と思い、比較的近くの和歌山県にある「日ノ御埼ボルダー」へ行ってみようと思いたつ。

 

グーグルマップで調べると、日ノ御埼までここから片道約130km(下道で約2時間半)。

 

調べた時は、午前11時で到着予想は午後1時半だった。

 

順調に行けば日没まで3時間以上は登れるなと、アプローチの心配はさほどせずに出発。

 

和歌山県の有田に広がる山一面のみかん畑などを楽しみつつ、温暖な気候と開けた景色に、人生でなんの欲もなくなったらこの辺りに住むのもよさそう。

などと考えながら車を走らせる。

 

軽い渋滞があったのと、途中で昼休憩をはさんだので日ノ御埼に着いたのは午後2時。

そこから長時間の運転の疲れをとりながらゆっくりと準備をして、2時半に駐車場を出た。

 

日ノ御埼ボルダーでの目標は「Younger Than Yesterday 1級」

 

日ノ御埼ボルダーのトポが載っているロクスノは持っていなかったけど、ネットで検索した情報でそれらしい岩の場所はなんとなくわかったし、アプローチは大したことないだろうと高を括っていた。

 

これが間違いだった。

 

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「Younger Than Yesterday 」のある岩は、大きな岩がゴロゴロする海岸沿いを、初見なら25~30分は歩かないとならないような場所にあった。

 

マット2枚とサブマット代りのサーマレストを持ってヒィヒィいいながらも岩を探し回ってなんとか発見。

 

うん、デカい。

下地も悪い。

 

いきなり下からトライして万が一、上部で落ちたら大ケガしそうなので、とりあえず上部のバラしにかかるが、最後にリーチーな一手があり、下地を考えると無理できない。

 

怖いのだけ確認したら、上部パートは一旦置いておいて、5mのルーフクラックというこの課題のメインパートをバラシて行く。

 

いきなりバラシというのもなんだけど、マット2枚では下地が岩剥き出しのルーフクラックをやる気にはならなかった。

 

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高さはないけど、背中からの不意落ちは避けたい

ルーフクラック部は全編ジャミングという訳ではなく、握れるホールドもあるので激打ちしながらも問題なくクリア。

 

核心と言われるルーフからの抜けもニーバーという独自のムーブで解決できた。

 

時間の都合で、この間、ほとんど休憩なしでトライを重ね、全てのパートが完成したところで繋げトライを開始。

 

パートのバラシですでに前腕はパンパンだったけど、時間もないし、ダメなら後日という気持ちで繋げ一回目のトライ。

 

スタートからのクラックパートは手順を間違えることもなく、問題なくクリア。

ルーフの抜けに掛けるトーフックもバッチリ決まった。

 

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足癖が悪い

ここから核心のルーフ抜けは、ヨレた体に鞭打つ一手があって、自分のムーブではそこを掴めるかどうかが核心だったけど、うめき声を出しながらもなんとか捉えた。

 

フェイス面に出たら、後は気合でカンテのガバを取りに行くのだけど、そこもリーチ的にちょっと遠い。

 

キョン足で固めて気合のデッドをし、カンテのホールドを捉えた。

 

そこから、余り良くはないホールド向きと今にも欠けそうなミリサイズのフレークの足でレストし、上部を目指そうとするも、到着から90分間、ほぼ途切れなく課題にトライし続けた腕のパンプがまったくとれない。

 

しばらく逡巡し、「携帯電話も圏外だし、このまま突き進むのは勇気じゃなくて蛮勇だな」と思い、悔しいけど右から抜けた。

 

ちょっと割り切れない思いだったけど、独りでトライする以上、引き際も大事と思い、それでもまた、いつか環境を整えて直上で登りたいと考え、すっかり岩の陰に夕日が隠れた日ノ御埼を後にした。