東奔西登

車中泊で日本縦断の旅をしながら、ロクスノ081号の「全国ボルダー『1級&初段』100 課題」にトライした人の記録

2020/1/6 板を訪ねて30分 ~楯ヶ崎ボルダー~

2020/1/5

 

レスト。

記憶が…

え~と、「まんぼう」が付く道の駅で寝た。

風が強かった。

 

2020/1/6

板を訪ねて30分

 

この日は楯ヶ崎ボルダー。

 

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楯ヶ崎ボルダーと言えば「ハテナ」が有名課題だけど、核心がリップへのランジ&私より身長の高いクライマーが苦戦しているのを見て、「これは一人でやる課題じゃないな…」と優先順位は二番目。

 

一番の目的はこちらはハテナより高さはあるけど、ランジはなさそうな「レリーフ左のクラック」

 

下部は細いクラックで、上部は少し広がってフィンガーサイズ?というのだろうか。
ジャミングはルートでやった事がなく、師匠もいないので用語からしてよくわからない。

 

比叡の大谷クラック(これまたロクスノ1級&初段で紹介された課題)で3、4日この課題だけに取り組んでようやく登ったほど、ジャミングというのは未知世界だった。

 

この旅では日の岬の「Younger Than Yesterday」で鍛えられた事もあり、少しづつジャミング技術も向上して来たような気がするけど、男としては手が小さいこともあって、いわゆるハンドジャムというのは苦手。

 

レリーフ左のクラック」は手の甲がすっぽり入るようなクラックもないし、初っ端の「爪ジャム」といわれる核心もこれが爪ジャムなのかただのガチャ持ちなのかも判断できないけど、なんとか足を上げてレイバック体制に入る。

 

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核心の下部

下部を抜けてしまえば、自分のムーブではジャミングらしいジャミングは一か所だ。

リップで手の甲をクラックに押し当ててマントルを返したけど、無くてもなんとかなる保持感。

 

唯一のジャミングは、決まればチョークアップもできそうなほど安定している。

(ブラブラとになり邪魔そうだったから持って行かなかったけど)

 

その後はフェイスに散らばるホールドを握り、少し遠いリップを捉えてマントルを返した。

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マントル


淡々と書いているけど、とても緊張した。

リップどりの時の両足がスメアなので、滑ったらどうしようと考えると怖かった。

 

左足はソールのフリクションが良く、ゆるやかにダウントーしているソイルのフリーレンジLV

右足は軽いフットジャムがあるから、サイズは緩いけどモカシム。

 

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パステルカラーで可愛い組み合わせ

 トップアウトした時は、ロケーションも相まって最高の気分だった。

 

それにしても高い。

チョークの掃除している時に、下を見たら怖いくらい。

 

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下にあるのはマッチ箱かな?

 

プロテクションをとる技術がある人は、リードトライの方が安心感はありそう。

 

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上のホールドはカメラ三脚で延長した

 

 

さて、お次はいちおう触ろうとは思っていた「ハテナ」

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写真傾いていませんよ。ランディングは斜めの岩盤…

軽くトライしてみるも、下部は簡単ながらスカったら岩盤にバックドロップしそうな恐怖。

 

上部のガバカチを握り「うん、思ってたよりは良いかな」次の左手「・・・まぁ、初段だし」そしてカチで体を壁に引き付けて発射体制に入る・・・

 

もうこの時点で右足パツパツで蹴れないんですけど・・・。

 

なるべく体を壁に引き付けて出るランジでは、リーチ的に蹴り足に力が入らない。

 

でも、腰を落としてためて飛ぶ「ロケットランジ」なんかしたら、ミスったら死ぬ。

 

逡巡しながらも軽く飛んでリップのはるか手前をペチッとして終了。

 

他の足を試してみるも、力を込めて蹴れそうな足は他にない。

 

これは「ランジは手で引く」というリーチ差をものともしない、あるジムの尊敬するクライマーの出したパワーワードが理解できるまでは無理そう。

 

運よく捻挫で済んだとしても、楯ヶ崎ボルダーはアプローチに30分ほどアップダウンのある道を歩かないとならない。

 

「そりゃあ強度的には初段かもしれないけどさぁ、登った時の環境も考えてグレーディングしてくれよ」と弱虫の泣き言を垂れながら車に戻った。

 

宿題は残したけど、「レリーフ左のクラック」はボルダリングスタイルでの再登者が少なそうな課題だから満足感が高く、気持ち良く楯ヶ崎を離れることができた。

 

しっかし、マット2枚担いでのアプローチ(しかも忘れ物を取りに行って2往復)は辛く、その後二日間ふくらはぎが悲鳴を上げていた。

 

 

翌日、せっかくの完登動画が入ったmicroSDカードを車内で無くしかけ、またあの辛いアプローチと怖い課題を登らないとならないのかと思い、半べそになりながらSDカードを探した。

 

自分の物理的な予想をはるかに超える場所からカードは見つかった。

 

なんでも小さくすればいいってもんじゃない。

と心から思った。