2020/1/16
限定の日
この日は大山岬ボルダーに行こうと思ったけど、指皮の状態が末期だったので河原のボルダーに予定変更。
日ノ御子ボルダーに行くことにした。
日ノ御子ボルダーも高知市から1時間以内と、四国の有名なボルダーは高知市を中心にアクセスが良い。
日ノ御子ボルダーの近くにはやなせたかし記念館・アンパンマンミュージアムがあり、売店だけの利用もできる。
お世話になったジムの常連の鬼強さんの子供用に、アンパンマンミュージアムで高知限定の缶入りアンパンマンクッキーを買った。
日ノ御子ボルダーへのアクセスは、かなり細い林道を走らないとならず、離合箇所も少なかった。
その道の狭さ、路肩の恐怖はコンパクトカーで良かったと思えるほど。
ハイエースでもロングになると厳しそう。
日ノ御子ボルダーでの最初の課題は、ロクスノ1級&初段でも紹介された、「鬼火消し」
チャート的な石灰岩?石灰岩的なチャート?どちらか判別できないような不思議な質感の岩だった。
おとといの雨がまだ乾いていないのか、地面は湿っていて、岩も微妙に湿度を帯びていた。
ホールドに乗せたチョークが時間と共に吸い込まれるような、そんなコンディション。
トラバース、持久系の課題をトライする時のソロクライマーの宿命、「どこにマットを敷くか」を見極めるため、フラッシュトライはせずパートでホールドの持ち感、ムーブをマットをずらしつつ数回探り、二枚のマットを配置して繋げトライ。
懸案材料だったホールドの湿り気は、フリクションのないピンチホールドでさっそく現われ、ふいに右手がすっぽ抜ける。
しっかり嵌ったヒールとガバホールドで落ちる事はなかったけど、ふと湧き出る「次のトライでいいか」いう気持ちを抑えて続行。
グレードの割にはホールドの持ち感は良いので、繋げの1トライで気合で行けると踏んだ。
ヨレた身体にムチを打ってリップのカチを抑えたら、大げさに声を出して次のムーブへ。
意外に良いホールドのないマントルを不格好に返して岩の上に立った。
その岩のわかりやすいスタートから始まり、岩の弱点を突いて頂上へ。
ボルダリングの本来あるべきスタイルが感じられる、本当に良い課題だった。
鬼火消しの後は、貴重な限られた時間の中で同じホールドを辿ることになるリンク系の課題はあまりやる気にならず、エリアを移動。
石灰岩らしい見た目とホールドを求めて石舞台エリアへ。
石灰石らしい、浸食で作られた立体的なホールドが個性的。
この岩で惹かれた課題は、宮崎から出発した身としては見逃せない課題名の「神楽」
トポではスタート位置がハッキリしなかったので、左カチと右手アンダーポケットでスタート。
高い位置の大きなアンダーを効かすのが核心だろうか?
スタートホールドが位わからなくて動画に頼ろうとしたけど、電波が届かない場所だったので、この課題はオンサイトトライ。
2トライで登れた。
しかし、後で何の気なしにYouTubeを見てみたら、抜けに限定があるらしい…。
なんでも、リップに限定ホールドがあるとか。
最新のトポにも記載はなかったし、自然に届く距離にあるからスロット状のカチを使ったのだけど、限定だったらモヤモヤするなぁ。
先日の松風といい、私は四国のボルダーを「大きな岩がゴロゴロとあり、自由な発想で楽しめるクライミング天国」と勝手に思っていたが、どうやらそうでもないらしい。
もし、”初段”が限定なしだったら”1級”になっても、ラインの美しさは変わらないのだから、別にいいじゃんと私は思うのだけど。
これは段級グレードの弊害というか、”初段”が特別視され過ぎてて、初登側はなんとか”初段”と付けたいし、登る側は初段を目指したいという変な風潮が生まれている気がする。
誤解があっては困るのですが、段級グレード自体は日本的で好きです。
ただ、”初段”というあくまで1級と二段の間にあるひとつのグレード基準に拘りすぎなんじゃないかなと。
プロクライマーの小山田さんも以前自身のブログで書いてましたが、グレードについてもっとドライに考えられないのでしょうか。