2019年~2020年は各地で大雨による洪水の被害があって、東は東京の神戸ボルダー、西では行った事はないのだけど、大分の玖珠川ボルダーで課題の多くが消失する被害があったようだ。
幸い、今回紹介する「ロクスノ1級&初段」の課題があるエリアが被害にあったという話は聞かないので、気になる課題があったら早めにトライするのが正解だと思う。
この「日本縦断ボルダリング旅」でも、岩が傾いたり下地の変化で登れなくなってしまった課題もいくつかある。
よく言われる「山は逃げない」は大間違いだと思うし、岩なんかは下地の変化はまだしも、ホールドが欠けたり、アクセス問題で登れなくなったりで本当に儚い。
いつまでも あると思うな 親と岩
さて、九州編の続きで、大分・福岡と、ロクスノ1級&初段には紹介されなかったけど、長崎で面白いと思った課題もご紹介。
わ、私が情報を集めきれなかっただけで、さ、佐賀にも絶対良い課題があるはずっ!勘違いしないでよねっ!
【大分】(課題名横の〇×は登れたか否か)
「上畑ボルダー モノモーフィズム 初段」〇
スッパリと切ったような薄被りのボルダーで、核心は向きの悪いホールドへの遠い一手。
日当たりの悪い杉林の中にあり、雨後は湿っている事が多いのでトライするタイミングが難しい。
「上畑ボルダー かぼす 1級」〇
綺麗な被ったカンテ。
途中で右のスラブに抜けると3級で、カンテを挟み込んで上部まで登るのが1級。
そこまで高いボルダーではないのに、バランスの悪いムーブだからか心理的に高く感じる。
下地はいつもビチョビチョ。
「奥岳川ボルダー 枯竹 1級」〇
比較的新しエリアの課題なので評価はこれからという感じだけど、1級はこれくらい気持ち良く登れる難易度が良いと個人的には思う。
ボルダーのある場所は、大分と宮崎の県境に近い奥岳川の最上流部。
この奥岳川は、流域に面白そうなボルダーが点在しているから、時間がたっぷりとれたら色々登ってみたい。
「北川ボルダー グリーンブルー 初段」〇
この課題が初登されたのは、タイミング的に1級&初段特集が載ったロクスノNo81が出版される直前の夏だったと記憶している。
その後すぐに台風で下地がなくなり、聞いた情報だと私が登った時点でこの課題を登った人は五人もいないくらいだから、評価が安定した課題ではない。
核心がリーチ差がで出る一手だからか、初段より難しく感じた。
知り合いの四段クライマーも(さっくりと登った後)「う~ん、初段かなぁ?」と難しい方のニュアンスで首を傾げていたので、得意不得意は出そう。
「宇目ボルダー マエストロ 初段」〇
こちらもいわくつきと言うか、脆い岩質なので、キーホールドが欠けて一時登れなくなっていたけど、接着剤でくっつけてまた登れるようにした課題と聞いた。
ロクスノに紹介された時は、接着したキーホールドが再び取れてしまった後ではなかっただろうか。
幸い、ロクスノ紹介前というか、キーホールド再び取れる前に登っていたのでラッキーだったけど、今はどうなっているのかわからない。
「竜体山ボルダー 雲竜 1級」〇
大分県日田市にある、竜体山ボルダーの課題。
竜体山は、昔ロクスノにちょっと紹介されていたけど、基本的には公にできない岩場みたいだから、バックナンバーを手に入れるか、詳しい人に教えて貰うしかない。
駐車場さえ分かれば、後は遊歩道の中に現れる怪しい踏み跡を辿って行けば、岩が見つかる。
大分のボルダリング名課題なら、ロクスノNo.81号の特集では紹介されていなかったけど、大分県中津市にある八面山の「チェルシーチェイン」という課題をオススメしたい。
八面山はボルダーだけではなく、ルートの課題も豊富で魅力的なエリア。
別府、大分空港からも比較的近いから、観光のついでに行けなくも無さそう。
宮崎の比叡ボルダーに比べてマイナーな大分のボルダリングシーンだけど、岩数はけっこう多い。
ただ、地主さんの許可を得て整備ができる比叡ボルダーと違って、鬱蒼とした杉の植林地帯にボルダーがあることが多くて雨後の乾きが悪く、タイミングが難しかった。
【福岡】
「大入ボルダー HDJ 初段」〇
大入ボルダーはボルダリングの対象になる岩は少ないけど、福岡市から近いエリアとして人気のよう。
HDJはその中でも試金石のような課題。
強傾斜で実質二手のボルダリングらしい課題。
スタートがとか抜けがとか、色々と細かな決まりがあるようで、一回登った課題だけどこの旅で再度登りなおした。
「筑紫耶馬渓ボルダー ジ・アースD 1級」〇
花崗岩のハング越えが印象的な課題。
微妙な保持感のホールドを持っての足上げが核心か。
すっぽ抜けたら落ち方が怖そうで、ちょっとスリリングなマントリングが楽しい。
課題とは関係ないけど、大きなダムの近くなので「もし、今放水されたら一撃だな」と居心地が悪く感じた。
福岡の名課題として紹介されていたのは、この二課題。
福岡には他にも、黒木ボルダーや唐泊ボルダーなどのエリアがあるけど、アクセス問題などに考慮して選出したのだと思う。
ここまでがロクスノNo.81で紹介されていた、九州の1級&初段名課題。
選出されなかった長崎県にも「龍頭泉ボルダー」があり、課題数も多い。
詳しいトポがないので、今回の旅では龍頭泉ボルダーの課題はごく一部しか登らなかったけど、その中でも「わさビーフ 初段」が面白かった。
これくらいの強傾斜で、良いホールドを繋いで登る課題は本当に面白い。
長崎には他にも「展海峰ボルダー」、「千々石ボルダー」、「山田の滝ボルダー」などがある。
それぞれ岩質が違って飽きずに楽しめるので、長崎観光のついでにどうぞ。
いつか五島列島も行ってみたい。
きっとボルダーもあるはず!?
次回からやっと九州を抜け、本州編。
九州だけで30課題くらいあったイメージだけど、気のせいだった。